飲食店・レストラン“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム東北」

仙台飲食業界 プロデュース元年

フースタ東北創刊にあたりコラム
代表取締役 林 㤗弘

【仙台飲食業界 プロデュース元年】

「飲食店って、こんなに楽で楽しくて柔軟でいいんだ……。」

上京して、繁盛店を生で見て、触れて、感じた素朴な第一声であった。
それまでは、我々は「東京に飲食をしに行く」という行為はあくまで【勉強】。
東北人は、私を含めておしなべて真面目な気質を持っている人間が多い。
雑誌やメディアに取り上げられると、とにかくいち早く都内に勉強に出向き、そして勉強する。いつも、「すごいな、都会は。すごいな、東京は。すごいな、世界は」と、ぐるぐるぐるぐる都内を飛び回り、感じまくる。
日々感動し、勉強し、自分の店に落とし込む。
そして……迷う。ときには立ち行かなくなる。
なぜなら?繁盛店の成功事例しか研究しないからである。メディアにこぞって出ているお店の出来上がったモノの「“マネ”」をするからである。“「マネ”」が決して悪いことではないが、本当に勉強しなくてはならないのは、「なぜそれだったのか?」「そこにたどり着くまでの軌跡は?」であり、その商品に付帯する「店舗運営哲学」である。

例えば、大繁盛バルにマネる【こぼれスパークリング】。
とてもマネしたくなる。見た目も楽しい、すぐにでも自分のお店で出来るのでないか!これなら……。早速明日、下の升を買ってこよう……。明日からメニューに取り入れよう……。
例えば、人気急上昇中の【クラフトビアサンプラー】。
480円均一で飲める!安い!楽しい!これならお客様を喜ばす事ことが出来るだろう……早速、似たようなグラスを使い、明日から提供しよう……。
うちのクラフトビア、1種類しかないけど、瓶のクラフトビールを追加して、後は大手メーカーのもジョインして……。

どちらも、答えは?だと思う。
例えば、こぼれスパークリングの例。ほとんどの繁盛店が、専属のソムリエがその為にセレクトしている。リーズナブルでアタックが強く、そして飲みやすく、恐らく仕入れ金額を抑えることも忘れない。次の一杯につながるような、飲み口のよいモノを選ぶ。何でもいいって訳じゃない。
例えば、クラフトビアサンプラー。専門店が満を持して提供している場合が多い。グラスにもこだわりがある。少し厚手のグラスにして、持ったときの重量感すら演出する。何十種類のなかから好きなものをチョイスできる、が恐らく専属のビアマスターの誘導のもと、チョイスするのであろう。
すなわち、演出におけるパイオニア的存在である彼ら繁盛店は、ワイン一滴、グラスの重さ1グラムまで、練りに練って研究していることを忘れてはならない。
東北の情熱のある飲食店マンたちは、日々改良して取り組み、そして実践している。都内の繁盛店をお手本にして、毎日毎日研究している。そして、改良に改良を加えて、そこに近づく……。
本当に真面目な気質を持つ東北飲食マン。かくいう私もその中の一人であった。

先日、フードスタジアム東北の初仕事として、都内のモンスター店舗【アガリコ】代表の大林氏の仙台初プロデュースのPRを手伝わせてもらった。
数々のプロデュース店舗のヒットを飛ばしている同氏。
売値やプライス感覚はもちろんのこと、食器のサイズから、店内BGM、店内装飾、接客やオペレーション、ウォークイン客の誘導に至るまで、本当に緻密に計算されていた。年間20カ国を渡り歩き、一年間に何百件も食べ歩く同氏は、お店を一目見て、わかるのだろう。勝てる方法を。お客様を喜ばす最短距離を。

仙台⇄東京が1時間40分と近くなった現代において、「都内のプロデューサーに頼む」という考えもこれからはありだと思う。
元来、プロデューサーという存在は、自分の意見を押しつけて来るイメージがありそうだが、決してそのようなことはない。クライアントがやりたいこと、たどり着きたい場所に、最短距離で連れて行ってくれる存在だと、気づいた。
目の前でありありと見させてもらった。

ゼロから飲食店を立ち上げるのは、本当に苦しい。立ち行かなくなった飲食店を立て直すのは、本当につらい。さらに、情報にまみれた現代で、厳しいSNSやメディアに翻弄させられたり、さらされたりすることも多々あるだろう。
これからは東北でも、【本当にやりたい事がある飲食マン】は、大林氏のようなマーケット全体を見渡すことができ、かつ飲食店に対する情熱が誰よりも強いプロデューサーに依頼するという手段も、一つの方法なのでは?という気がしてきた。

【飲食店経営とは、苦しむコトではなく、楽しむコト】。
【お客様は食事をしに来る】のではなく、【食事を楽しみに来ているというコト】。
コンサバティブな東北人にとって、店舗をプロデュースされるということ。
浸透するのはまだまだ先のことかも知れない。
だが、フースタ東北を通じて、第一歩を踏み出すお手伝いをさせてもらえればと考えている。

フースタ東北創業の本年を、【仙台飲食業界 プロデュース元年】と呼ばせてほしい。

林 泰弘
【プロフィール】
【林 泰弘】 2005年4月 仙台駅前に、noon-dinette for happiness-店 オープン 2006年2月 上記店舗の隣に、カフェコンコンブル店オープン そこから着々と仙台駅近辺に飲食店をオープンさせ、現在仙台市内に 6店舗、東京都内に4店舗の飲食店を運営。 2014年11月に市ヶ谷に【伊達藩いろり屋二代目ごいち】を開店させ、 現在は東北の食材の流通にも興味を持つ。塩竈市出身のネットワーク を活かし、数々の生産者や団体とつながりを持つ。 もともと「飲食オタク」と自負するほど、飲食に関して研究熱心。 今後は東北の食、主に飲食店文化の発展、底上げを目指し活動の 幅を広げている。 信条; 1、人生は一度きり、出逢った人は皆「師」とおもえ。 2、出会ったときの距離感を、大切に行動せよ。 3、すべての点が繋がり続け、振り返った時に線となる。   損得で行動するな。選んだ方が正解だ。 好きな言葉; 【名馬】はいつの世にも存在するが、 【名馬】を見いだせる人間はいつの世にも存在しない 嫌いな言葉; 「もしもあのとき」「たられば」「でもしか」

ブログ一覧トップへ

Copyright © 2015 FOOD STADIUM TOHOKU INC. All Rights Reserved.