女川町(町長:須田善明氏)と株式会社スタイルスグループ(本社:宮城県仙台市、代表取締役:佐々木浩史氏)は、東京都江東区富岡(門前仲町)に同社がオープンする新店舗「宮城県女川町 産直鮮魚とマグロの明神丸」を同町後任のアンテナショップ居酒屋とすることで合意した。8月4日の開店に向けて、7月27日(月)に女川町長 須田善明氏と株式会社スタイルスグループ代表取締役 佐々木浩史氏が出席して協定調印式及び共同会見が行われた。
このきっかけとなったのは、「鈴幸漁業」の遠洋マグロ延縄漁船の復活だった。東日本大震災の津波で陸地に打ち上げられ、その怖さを伝える象徴として当時ニュースに何度も取り上げられたあの船だ。震災から半年、陸に揚げられた船のひとつ「第3明神丸」は、所有する「鈴幸漁業」の手で修繕されその年の8月に再びマグロ漁へ出航。また、震災から2年後には被災地の復興を支援する「がんばる漁業」(水産庁が復興事業の一環として打ち出した漁業復興支援事業)の実証船として、「第1明神丸」が新船として生まれ変わり、西経漁場での操業を開始した。こうした復興を目の当たりにし、「女川マグロ」をブランド化することで、本当の意味での女川町の復興支援になるのではないかという想いから、町の再生に一枚岩となり取り組む女川町の須田町長はじめ40代50代の若手実力者たちと佐々木浩史氏が話し合いを進めていたという。
その中で「女川マグロ」にとどまらず女川町の水産業を元気にしていくことを目標に「女川ブランド」を全面に出す店を東京に出店することが決定した。経営は株式会社スタイルスグル―プだが、同じ想いを持って共に取組み歩んでいきたいと須田町長は力強く語った。
店名は「宮城県女川町 産直鮮魚とマグロの明神丸」。女川町のウリである海産物、ホヤ、さんま、ホタテ、マグロ等を主役に置いた「女川ブランド」が全面のメニュー構成だ。海の家や海小屋をイメージした内装の店内で一本魚を販売したり、競りを体験させることでライブ感のある提供を考えている。
アンテナショップやご当地居酒屋は数多くあるが、なぜここまで町公認にこだわって進めてきたのか。その答えは、佐々木浩史氏の言葉に明確に表れていた。
「私自身、家族を津波でなくしている。震災復興といってもなかなか行政も何も動けない中で、女川町の一枚岩の取り組みは素晴らしい。その行動をリスペクトしているからこそ、震災以降、自分たちに与えられたミッションにこだわって仕事をしていきたい。ただ単に町の名前を使って店を出すのではなく、共に歩んでいく同志として、女川町からの理解がどうしても必要だった。」(佐々木浩史氏談)売上目標は月商500万円。門前仲町という下町で「女川ブランド」を認めてもらい愛される店づくりを目指している。
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2015.07.31