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本場ナポリの2大ピッツァ協会も認めたピッツァイオーロ 三橋氏が薪窯で焼き上げる本場イタリアのナポリピッツァ!『Pizzeria e Osteria PADRINO』2021年7月17日、青葉区二日町に待望オープン!

遠くからでもよく見えるPIZZERIAの看板。
2016年ナポリピッツァ職人協会認定職人(左)
2015年真のナポリピッツァ協会職人(右)
この2つを持つ店は世界的にも珍しく、本番イタリアのピッツァイオーロも目を輝かせて写真を撮っていく。
店内はアマルフィ海岸を代表する「ポジターノ」から取り寄せた家具や装飾品で彩られている。
ナポリの日常をイメージした店内はテーブル席が37席。お客様の賑わいが美味しいBGMになる。
店の代表でありピッツァイオーロの三橋 亨氏。
震災時に炊き出しでつかった「ピッツェリア・パドリーノ・デル・ショーザン」の薪窯と一緒に。
平日限定ランチセットは1,500円~。
写真は2,300円コースのメイン「マルゲリータS.T.G」
「本日入荷の貝類とチェリートマトのリングイーネ」
ランチコースにはすべて、サラダとデザート、ドリンクが付く。
デザートはイタリア・シチリアの銘菓「カンノーロ(カンノーリ)」
本場のパスタがずらりと並ぶ。「生もいいが乾麺の良さも知ってほしい」と佐々木シェフ。

飲食を始めたきっかけ

三橋亨氏が料理に興味を持ったのは小学生のころ。地元気仙沼では小学校時代から当たり前のように釣りをして魚をさばいていた。自炊をすることも多く、高校卒業時には料理の道に進むことを決めていた。東京の調理師専門学校に進み、2年後には当時ブームが来ていたイタリアンを選択、就職のため仙台へ戻ってきた。入社してみると思い描いていた料理人の仕事とは違い、会社員としての働き方を求められていた。いろんな店舗にも行かせてもらえたし新店舗の立ち上げも経験させてもらったが、やはりしっくりこない。料理人としてのキャリアを積みたい気持ちが強くなっていった。そんな折、震災が起きた。自分自身の価値観が大きく変わったのを感じた。自分に何かできることはないのか。この先、何を「志事」として生きていこうか、真剣に考える日々が始まった。

ピッツァへの開眼

「好きな料理は何か」そう聞かれたとき、自分がよく「ピッツァ」と答えていることに気が付いた。イタリアンの料理人としてもちろん真剣にやってきたけれど、その中でも自分の好きなことを掘り下げたらどういうことが起きるだろう?そう思い、ピッツァの研究を始めることにした。休みの日には東京に行き食べ歩く毎日。参考にしたのは「真のナポリピッツァ協会」だった。「真のナポリピッツァ協会」は非営利団体としてナポリで1984年6月に創立されていて、2006年9月には日本にも設立、国内におけるナポリピッツァの発達を担う協会だった。その時はまだピッツァの善し悪しはわからなかったが、とにかく情報収集をし、自分の中での基盤を積み重ねていこうと考えていた。研究を重ねるため食べ歩く中で、仙台にも「真のナポリピッツァ協会」に認定された店があることを知る。それが前職の「ピッツェリア・パドリーノ・デル・ショーザン」だった。そこからは店に通い、当時の店主である千葉壮彦氏と親交を深めていった。震災の最後の炊き出しに参加させてもらえることになった際、ナポリ在住の技術指導員であるガエターノ氏をはじめ、日本全国のピッツェリアの方たちとともに炊き出しをすることで、本物に触れることができた。その頃から三橋氏は、千葉氏の元で修業をさせてほしいと思うようになっていった。

「ナポリピッツァ職人世界選手権日本大会」2位を獲得するまで

2013年8月、勝山館の中で「ピッツェリア・パドリーノ・デル・ショーザン」が大きくなるタイミングでそれまで従事していたイタリアンを辞め千葉氏のもとに修行に入った。ピッツァが美味しいという前評判、震災の炊き出しでつかっていたピザ釜を店舗に配置するというストーリー、しかも店内の装飾は本場イタリアを思わせる本格的なもの、ということもあり注目度は高くOPEN当初は忙しかった。千葉氏の仕事を横にへばりつくようにして見て覚えていった。その当時から千葉氏は「ピッツァ職人という仕事を世に広めたい」という志のもと仕事をしており、自分もその志に感銘を受け共感した。2015年7月末、千葉氏が独立することになり、三橋氏が料理長を継ぐことになった。「真のナポリピッツァ協会」の称号をとった千葉氏の跡を継げるのか、今来ているお客様は千葉氏のピッツァだから食べに来てくれるのではないか。不安が頭をよぎったが、お客様は待ってくれない。千葉氏の看板がなくなった今、同じことをしていても衰退していくだけだと思い切り、すべての食材や作り方等思いつくことをすべて0ベースで見直すことにした。生地一つ、食材一つに誠心誠意を払うこと。春夏秋冬、ほんの少しの天気や湿気の変化で変わっていくピッツァ。ここからは自分のピッツァと向き合うためにすべての時間を費やしていく。ひと言でいうのなら、真のナポリピッツァらしいピッツァを目指し研究を重ねていった。同時に同年から「ナポリピッツァ職人世界選手権日本大会」にも挑戦し始めた。そしてようやく自分が納得できる結果として、2018年に2位を獲得。自分が「これだ」と思う生地で本場イタリアの審査員から評価を得た。ずっと応援してくれていた会社への恩返しができたと喜びもひとしおだった。その勢いのまま、今度は自力で国内の「ツジキカイ500カップ」に出場し、優勝。その後実績が認められて、日本ナポリピッツァ職人協会のマエストロに任命された。自信は確信へと変わった。

「ピッツェリア エ オステリア パドリーノ」オープンの経緯と自分のビジョン

ピッツァ職人として働きはじめて約8年。自分の使命(志事)ははっきりと見えている。師匠である千葉氏が昔話していた「ピッツァ職人という仕事を世に広めたい」ということ、そして想いを共にする現オーナー伊澤氏とともに「本場イタリアの伝統と食を正しく伝えていきたい」ということだ。その役割を担うために自分がいまできることは何か。コロナ禍による「ピッツェリア・パドリーノ・デル・ショーザン」の閉店の決定でその気持ちはより強くなり、どうにかして次につなげられないか、独立を模索していた。
その矢先、現オーナーの伊澤氏から「一緒にやらないか」と声を掛けてもらいチームとして一歩を踏み出すことを決めた。ピザ釜は自分たちが情熱を注いだ「ピッツェリア・パドリーノ・デル・ショーザン」のものを使用させてもらうことにした。内装は来てくれた方たちが本場イタリアを感じてくれるよう、テーブルや壁面の大皿などの装飾品はすべてアマルフィ海岸の町「ポジターノ」から直接買い付けた。新たな旅路を新しい場所で始める覚悟が決まった。一飲食店として早く地域を盛り上げる店舗になりたい。待ってくれているお客様に一日でも早く美味しいピッツァを提供したい。自分たちの想いを最高のパフォーマンスで伝えたい。はやる気持ちを抑えつつも着々と準備を進め、ついに7月17日、オープンを迎えることとなった。

「Pizzeria e Osteria PADRINO(ピッツェリア エ オステリア パドリーノ)」ついにOPEN

お店のコンセプトは、「ナポリの日常をイメージした内装で、肩肘張らずに本場の味を」。
本場南イタリアのナポリとその周辺のリゾート地アマルフィ海岸。カジュアル過ぎず、決して畏まらず食事を楽しめる雰囲気づくりを心がけている。三橋氏がつくる本場ナポリピッツァ「マルゲリータ(1,500円)」「アマトリチャーナ(1,800円)」「クアトロフォルマッジ(2,300円)」「マルゲリータD.O.C(2,300円)」等約40種と、佐々木氏がつくるパスタ「“シェフのスペシャリテ”パレルモ名物 イカ墨のスパゲッティ(1,870円)」「イタリア産有機レモンのクリームソースレモンを練り込んだリッチョリ(1,870円)」「魚介たっぷりペスカトーレ“ポジリポ風”シャラテッリ(2,800円)」等約10種や前菜料理「本日のパドリーノおすすめ前菜盛り合わせ(1,800円)」「海の幸のフリット盛り合せパドリーノスタイル(1,980円)」、肉・魚料理「本日の牛肉のタリアータ炭火焼き 約2人前(180g)3,800円」「パレルモ名物 気仙沼産メカジキのグリル(3,600円)」を心ゆくまで楽しんでほしい。また、平日限定でお得なランチセットもあり、Aset(1,500円)~Sset(2,300円)すべてにサラダ、デザート、ドリンクがついている。

(取材=澤田ていこ)

店舗データ

店名 Pizzeria e Osteria PADRINO(ピッツェリア エ オステリア パドリーノ)
住所 宮城県仙台市青葉区二日町17-31プレシャス二日町1F
アクセス 地下鉄北四番丁駅から徒歩8分
電話 022-290-1138
営業時間 ランチ【平日】11:30~14:30(LO.14:00)【土日祝】11:30~15;00(LO.14:30)、ディナー【平日】18:00~22:00(LO.20:30)【土日祝】17:30~22:00(LO.20:30)
定休日 火曜日・水曜日
坪数客数 33坪37席
客単価 ランチ1,800円/ディナー4,000円
運営会社 ネクステージイタリアーナ株式会社
オープン日 2021年7月17日オープン
関連リンク HP
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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