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牡蠣バル_R

飛梅2代目、松野水緒氏の渾身の新業態「牡蠣バルTOBIUME」は、三陸漁業を救う鍵となるか。飛梅の挑戦は始まったばかり!!

自慢の生牡蠣は新鮮そのもの!口の中に頬張れば、海の香りが鼻から抜けていきます。
生でも美味しい牡蠣をオーブン焼でアツアツのままいただきます。お好みの味付でぜひ。
料理長おすすめ、自家製カタラーナ。女性にも男性にも大人気、白ワインとよく合います。
その日のおすすめは店内看板でチェック。
カウンターは一人飲みに最適。気楽にふらっと酔っていい、そんな空間が心地いい。
元気なスタッフが三陸の想いをのせて朝3時まで元気に営業中。向かって右手が松野水緒氏。

株式会社飛梅本部長、松野水緒氏が牡蠣業態を自社のメイン商材に持っていきたいと考えたのは、2011年秋口だった。
震災復興のために何かできないか模索している最中、仙台市内で行われた商談会に石巻の企業である本田水産が出店したことがきっかけだった。本田水産は昭和22年創業以来、牡蠣の養殖に携わっている老舗企業であり、震災では工場に津波が浸水し、建物、機械、設備、原材料等に大被害を受け一時休業していたが、同年6月末より再出発したところだった。
話してみて驚いたのは「殻付き牡蠣は年中食べられる」という事実だったという。いままでは「剝き牡蠣」が一般的であり、夏場は漁港がシーズンオフのため剥くことができないので仕入れることができない、と考えていた。しかし、震災で牡蠣の剝き場が流されてしまったことにより、「殻付では売れないから出荷できない」と思い込んでいた漁港と、「年中殻付き牡蠣を提供したい」と考えていた松野氏の要望が一致した瞬間だった。そこで、まずは既存店の居酒屋業態で牡蠣を取り扱うことを決め、順調に売り上げを伸ばしていった。
翌2012年夏には仙台駅前のビル2Fに「かき小屋 飛梅」をOPEN。その3年後の今年2015年6月16日、2Fから溢れてしまう観光客や若年層、女性をターゲットにした「牡蠣バル TOBIUME」をOPENさせるに至った。

「かき小屋 飛梅」はOPEN当初、19坪という小型店にして月商650万円を売り上げるほど大人気店だった。「松島の牡蠣小屋のスタイルをそのまま仙台市内で体験でき、思いっきり牡蠣を食べられる店を消費者は待っている」という松野氏のヨミはあたった。「海で美味しい牡蠣を食べられるのは当たり前、街で美味しい牡蠣を食べられる文化を根付かせたい」という強い想いがあった。他社も次々と牡蠣業態を出店、殻付牡蠣はあらゆる飲食店で食べられるようにはなったが、負けない自信もあった。理由は、炭火焼であることと、店員が牡蠣を剥くスタイルであること、生でも食べられる新鮮な牡蠣しか絶対に使用しないこと、生産者の顔が見える誠実な仕事をしていること。その取り組みは当然消費者にも支持され、特に遠方から来たお客様の支持率は驚異的で、約8割近いお客様がリピートしてくれているという。
「殻付牡蠣の炭火焼=飛梅」という方程式が出来上がったころ、東京・神田に出店。三陸の牡蠣の存在を全国に知ってもらいたい一心で走り続けた。そのまま東京で継続して出店を進める予定だったが、仙台駅前の「かき小屋 飛梅」の上階が空くことを聞き、悩むことなく契約を決めた。その時すでに店のイメージは出来上がっていたという。
東京での出店を検討している中で、立地もさることながら路面店でなければ炭火が使えないという縛りがあり、牡蠣業態を展開していくときにどういった店なら牡蠣に特化して進めていけるのか考えていたからだ。その答えが、今回OPENした「牡蠣バル」というスタイルだった。

もともと「かき小屋 飛梅」から溢れてしまった観光客の受け皿が欲しいと考えていたこともあったが、20代~30代の若年層、特に女性に牡蠣を食べていただける場所をつくりたかった。牡蠣は美容、健康にもいい食材なので1人でもふらっと立ち寄れる気楽さも取り入れたかった。
運よく3Fは居抜きの段階でカウンターがあったことによりなおさらその気持ちは強まり、あとは自分の頭の中にあるイメージを落とし込んでいくだけだった。

女性ならではの目線でバル業態として創り出したメニューは、気軽に少しずつ頼めるメニューが多いのが特徴。「生牡蠣(1個)」380円、「牡蠣のオーブン焼き(1個)」380円、「釜石・泳ぐホタテとブラウンマッシュルームのアヒージョ」780円、「伊達の銀(鮭)中骨ポテトサラダ」580円など。使用している魚介はすべて三陸産。生産者の顔が見えるこだわりの仕入れを徹底しているので、安心して味わうことができる。
ドリンクは、誰でも愉しめるようにと幅広く取り揃えている。自家製の「太陽のサングリア(赤)」「海のサングリア(白)」グラス480円、デキャンタ1480円、鉢サングリア1980円をはじめ、各種カクテル、チューハイ、ワイン、日本酒、焼酎まで。

「三陸漁業、とくに牡蠣に対する想いは強いです。震災が起きた翌日からカセットコンロを使って炊き出しを夢中でしました。最初は道を通る人たちのため、社員のため。少しでも会社が存続できるように必死だったので考える余裕もありませんでした。でも、石巻で頑張る方々に逢って、本来の被災地支援とは一人でも多くの方に三陸の魚介を食べていただくことだと気づいたのです。そのためには、三陸の魚介を提供できる場を増やさなくてはいけない、そう思っています。いままでかき小屋業態にはなかなか入れなかった方たちに来てもらえるお店として成功させたい。どんどんブラッシュアップさせて東京でも受け入れられるような店に育てていきたい。そうすることが、三陸漁業の復興につながると信じています。私自身の新たな挑戦でもあります。見ていてください。」
目をキラキラ輝かせながら松野氏は力強く語る。
「牡蠣バル TOBIUME」の目標月収は400万円。これからどんなブラッシュアップを魅せどんな挑戦をしていくのか。女性の少ないこの業界で2代目というプレッシャーを感じながら、三陸漁業の復興への使命を全うしようとする彼女の生き方に感銘を受けるとともに、新店の行方が今後も楽しみだ。

(取材=澤田 てい子)

店舗データ

店名 牡蠣バル TOBIUME 仙台駅前店
住所 宮城県仙台市青葉区中央1-6-39 菊水ビル仙台駅前館3F
アクセス 仙台駅より徒歩3分
電話 022-796-6226
営業時間 17:00~翌3:00
定休日 年中無休
坪数客数 19坪38席
客単価 4000円
運営会社 株式会社飛梅

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