「自分が住んでいた町に、こういうお店が欲しいとずっと思っていた。」
そう話すのは国分町の人気店『ヤムヤムチンチン(→食べログ)』を経営する及川氏。お世辞にも繁華街とは言えない五橋の、大通りから一本入ったところに『酒場飯 ででででん』はある。遠くからでもよく見える、大きな看板が目印だ。入口に近づくにつれ暖簾がそよぐ色っぽい外観と、店の中から漂う活気が呑兵衛の心をわしづかみにする。
店の真ん中にはカウンター席、それを囲うようにしてテーブル席がゆったりと配置されており、店主と話したいときや一人飲みにはカウンター席を、家族や仲間とワイワイ語り合いたいならテーブル席をと、通うシチュエーションを選ばない。
おすすめのメニューは、なんと原価80%を超す『刺し盛3点盛 580円(税別)』『刺し盛5点盛 780円(税別)』。
刺身を盛り付けた経験がなかったから、という理由だけでその日仕入れた新鮮魚介の刺し盛を原価ギリギリで提供することを決めた。もちろん現在は勉強の甲斐もあり盛り付けも一人前になってきたが、今後も据え置き価格で提供するというから驚きだ。
また、ある日には、及川氏の地元大槌町より手のひらに収まらないほど大きな牡蠣が150個仕入れられ、お通しにまるまる1個提供するという太っ腹を披露。
「新鮮で美味しいものを提供しお客様に喜んでもらえたらそれが一番なんです。大槌町の漁師の方々もそういうお客様の声を届けることでさらに喜んでくれます。ただ、こればかりはタイミングなので、できるときとできないときがある。できるときには精一杯のことをしたい、といつも考えています。」
他にも『名物とろとろ角煮串刺し 680円(税別)』や『杉ちゃんポテトサラダ 480円(税別)』が常連客に人気だという。
飲み物メニューも充実のラインナップ。『丸ごとレモンハイボール 480円(税別)』は国産レモンを使用しているため皮ごと楽しんでもらえるのが特徴。料理に合わせた地酒も豊富に準備してあり、純米酒以上がグラス550円(税別)、もっきり750円(税別)とついつい飲みすぎてしまいそうな料金体系となっている。飲食店では仙台初ではないかと思えるカップワイン赤・白・ロゼ、各640円(税別)も女性に人気だ。
地域に密着した大衆居酒屋業態を出したかった理由は、人が集まる場所、帰ってくる場所をつくりたかったから。
「理想としては、ファミリーで利用していた小学生や中学生の子供が大人になったとき、親父と初めて一緒に飲む場所に選ばれるお店でありたいんです。想い出の場所というか、思い入れの強い場所。外に働きに出て帰省したときに懐かしんで家族や仲間で集う店、帰ってくる場所があれば幸せじゃないですか。たとえばそこに自分が顔を出した時に、「及川さん久しぶり」って声をかけてもらえたりしたら…そんな嬉しいことはないですよね。」
大繁盛店じゃなくてもいい、地域の人に愛されて、長く続けられるお店であること。及川氏の求めていたお店が地域の人からも求められるお店となるかどうかはまだまだ先の話だが、その可能性を十分に感じるのは私だけではないはずだ。
(取材=澤田てい子)
店舗データ
店名 | 酒場飯 ででででん |
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住所 | 仙台市若林区東七番丁17 |
アクセス | 仙台市営地下鉄南北線 五橋駅 北1番出口 徒歩4分 JR 仙台駅 徒歩10分 仙台市営地下鉄南北線 愛宕橋駅 西1番出口 徒歩8分 |
電話 | 022-796-9511 |
営業時間 | 月~木 17:00-23:00 /金・土 17:00-翌1:00/日 16:00-22:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 20坪38席 |
客単価 | 3200円(税抜) |
運営会社 | ㈱クロールアップ |
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