飲食業に携わるきっかけ
株式会社 S.S代表取締役:島貫央聖氏が飲食業界に足を踏み入れたのは18歳の時。大手チェーン店でアルバイトとして働いていたが若気の至りから店長と喧嘩になりクビになる。その後は点々と飲食店を渡り歩き、2016年、共同経営者として仲間と独立。しかし方向性の違いから、約1年でケンカ別れをしてしまう。2017年6月、サービスをやりたいという自分の気持ちに素直になろうとようやく腹を決めて個人事業主として独立するに至った。24歳だった。その頃は自分がやりたいことを貫くというよりは、今いる社員の人生設計に合わせて業態を組み立てていた。「人を生かす」ということを優先するが故の決断だったが、始めてみるとこれがうまくいかない。料理人が辞めるたびに業態を変更、自分が何をしたいのかどこを向いているのかもわからなくなっていった。
コロナ禍での経営難
2020年3月、複数店あるうちの何店舗かを業態変更しながら経営を模索している最中に、メディアのコロナ報道に振り回されるようになっていく。それまでも好調とは言えない経営状態だったが追い打ちをかけるような社会情勢。もうこれはいったんリセットして1からやり直さなければ立て直せないかも、と不安になる中、社員を守ることができなくなっていく。転職する人、独立する人が会社を退職していき、いよいよ自分の周りから人がいなくなっていった。お金もない、人もいない、これではどうにもならないと「自己破産」のワードが頭を何度もよぎる。自身のことだけ考えれば飲食業とは別にやっている事業もあるため、生きていくことだけはできる。今は一回全部を手放してコロナの情勢が落ち着いたらもう一回自分でやり直そう、と思っていた。
ラーメン事業に踏み切った経緯
2021年2月、飲食仲間に「自己破産するしかないかも」と弱音を漏らした。すると「ラーメンのFCを探している社長に相談したらどうか」と提案をもらい相談してみることになった。もともとコロナ禍になる前からラーメン事業や弁当事業に興味はもっていたものの自分のノウハウではどうにもならないと諦めていた事業だった。相談させていただいた社長(株式会社蝦夷ホールディングス代表取締役:相馬慶一氏)とも顔見知りだったこともあり洗いざらい全てをさらけ出して相談した。
相馬氏はコロナ禍を生き抜くため、当初よりラーメン事業やデリバリー事業、キッチンカー事業を手掛け次々と新しい価値を生み出す活動をしていた。それと同時に開発した海老、牡蠣ラーメンをともにお客様に届けてくれるパートナーも探していた。島貫氏からの相談を受けた際、最初は「困っている現状から逃げる苦肉の事業転換だろう」くらいで話を聞いていた。だが、話していくうちに飲食を辞めよう、自己破産しよう、と考えていた筈の島貫氏の目つきが変わり、まだ始まっていない事業に自信と希望を持つようになったのを肌で感じたという。「そんな一生懸命に取り組む彼の熱量に惹かれ応援したくなった。ラーメンにとことん拘わることと、夜に中華を組み合わせる事で彼がもっと現場仕事と仲間に真剣に向き合わなければ成立しない業態を敢えてプロデュースさせて頂きました」と相馬氏は語る。こうして、島貫氏と相馬氏のラーメン屋をスタートさせる二人三脚が始まることとなった。
『海老と牡蠣。そして夜中華。醤麺男~ジャンメンマン~』始動。
「ラーメン屋をやる」と決意できたのにはもう一つ理由があった。たった1人残ってくれた社員の存在だ。ずっと経営者らしくありたいと肩ひじ張っていた島貫氏は「人を生かせる会社に」と願っていたにも関わらず、全く違う行動をしていたことが分かったという。今残ってくれた社員と腹を割って話すことで彼と一緒に本気で現場に戻る決意ができた。ここからが本当の再起の道だ。メニューの主軸は、こだわりの「醤」で作るラーメンと油そば。自家製の醤油だれ、北海道大豆使用「紅一点」の合わせ味噌、そして今回はその特製だれと自家製の「海老醤」「牡蠣醤」を合わせた海老(醤油979円・味噌1078円)、牡蠣(醤油979円・味噌1078円)この「醤」に超こだわりの「自家製ねぎ香味油」と海老醤、牡蠣醤を合わせた「なまら海老醤 油そば」(979円)と「旨磯牡蠣醤 油そば」(979円)、「醤麺男特製油そば」(759円)。
さらに、北海道厚岸産「大澤水産」の生牡蠣が昼夜通して365日1個100円で食べられる他、夜16時からはラーメン、ザンギ、餃子に加え30種類以上の550円均一中華料理を楽しむことができる。海老醤、牡蠣醤をたっぷり乗せた「拉麺屋の海老醤トースト」(418円)「拉麺屋の牡蠣醤トースト」(418円)が一押し。
夜のテーマは「牡蠣と中華。そしてシュワシュワ。」生ビール、ビアカクテル、スパークリング、スパークリングカクテル、ハイボール、紹興酒ハイボール、バリエーション豊富なサワー、シュワシュワカクテル、など中華に合わせたドリンクメニューも多数取り揃えている。
今後の展望
今は素直に飲食店をやりたい。初心にかえって現場に入り、社員とともにお客様のことだけを考えて美味しい料理と楽しい空間を提供したい。立地としては平日と土日の人通りが変わるので、ひとまずは定休日を設けずにひたすら営業を継続し、マーケティングしながら進めていきたいと考えている。
売上は月530万円を目標に、そしていつの日かまた居酒屋を経営できるようになるために自分自身を磨き成長していけるように頑張っていきたいと思っている。
店舗データ
店名 | 海老と牡蠣。そして夜中華。醤麺男~ジャンメンマン~ |
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住所 | 仙台市青葉区本町2丁目5-10 リ・カーサ1F |
アクセス | 地下鉄南北線広瀬通駅から徒歩8分 |
電話 | 022‐738‐7072 |
営業時間 | 11:30~22:00 (ディナーメニュー16:00~) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 13.4坪25席(外に立ち飲み席あり) |
客単価 | 1000円 |
運営会社 | 株式会社S.S |
オープン日 | 2021年6月28日 |