1983年、宮城県柴田町船岡に「はらから福祉会」最初の障がい者の方が働ける小さな作業所ができた。それから30数年にわたる活動を経て、いまでは約300名の障がい者に働く場を提供する日本でも有数の自立支援施設となった。この「はらから福祉会」は、障がい者の「働く喜び、働いて自立した暮らし」という夢を実現することを目標としている。
2008年、七ヶ浜に『みお七ヶ浜レストラン』を開設、10周年を迎えた2018年春にさらなる七ヶ浜のブランド化を目指し、仙台で評判の洋食レストランHACHIにリニューアルの相談をしたことから今回のコラボレーションが決まったという。
洋食レストランHACHI(株式会社オールスパイス)の角田秀晴社長は「はらから福祉会」との提携について、「『障害があろうとなかろうと同じ人間、働いて、自分の暮らしを支え、人の役に立ちたい。そんな願いを実現するのがはらから福祉会の目標です』という武田理事長のお考えと今日までの30数年におよぶ同会の歩みをお伺いし、私たちのノウハウがそのお役にたてるなら、と協力させていただくことを決めました。」と笑顔で話した。
『とんかつとハンバーグ はらから亭』では、県内産の志波姫ポークを贅沢に味わうことができる。
志波姫ポークとは宮城県栗原市志波姫町で生育されている宮城県産銘柄豚で、正直に武骨に健康な豚を育てることだけを追求している石川氏が育てている。経営効率は悪くても豚一頭あたりにゆったりとした豚舎を確保し、炭や乳酸など独自の生育環境に合わせた飼料の配合を行うなど、豚たちのストレスを減らすことや、腸内環境をよくすることに日々精進している。「豚が健康ならその豚肉は安心で美味しい」「顔が見える関係で健康な豚肉を届けたい」その志を受け止め、『はらから亭』では一頭買いで仕入れて各部位を余すことなく大切に使用している。
メニューは「厳選特厚ロースかつ定食 1,300円(税別)」「厳選特厚ヒレかつ定食 1,300円(税別)」「自家製あら挽きハンバーグ定食 1,250円(税別)」「特上肩ロースステーキ定食 1,200円(税別)」など、志波姫ポークを100%使用した贅沢メニュー。柔らかい上質な肉は旨味が強く、いくら食べても食べ飽きない。ごはん、味噌汁、千切りキャベツはお替り自由、ドリンクの「はらから七福茶」「健康ビネガードリンク」も無料で提供されている。
一番近い駅(仙石線下馬駅)からでも車で15分程度と交通手段を持っていない人には敷居が高い場所ではあるが、はらから福祉会が目指す「レストランや製造した商品を通して、七ヶ浜や近隣地域の方々とつながりを深めていきたい。」という強い想いを感じ、誠実なものづくりの姿勢を学びに来るには決して遠くはない距離だ。
某テレビ番組で取り上げられた「はらから袋とうふ 宮城県産大豆(ミヤギシロメ)100%」も販売しているのでお土産に購入することも可能だ。
(取材=澤田ていこ)